介護を必要とする人にとってケアマネジャーはとても大切な存在です。
しかし、ケアマネジャーの仕事に疲弊し、現場を去ってしまうケアマネジャーは後を絶ちません。
ケアマネジャーからよく聞かれる【何でも屋じゃない!】という不満の原因は何でしょうか?
ケアマネジャーの仕事のやりがいも知りたいですよね?
この記事では、ケアマネジャーは何でも屋じゃないという不満の原因とケアマネジャーの仕事のやりがいについて調査していきます。
ケアマネジャーは何でも屋じゃない!不満の原因とは

ケアマネジャーの主な仕事は何でしょうか?
ケアマネジャーの仕事
- 介護相談・ケアプラン(介護計画)を作成
- 定期的なケアプランの見直し
- 施設・訪問事業所・介護用品事業所などとの連絡調整
ケアマネジャーの仕事は、利用者やその家族の希望に沿ったケアプランの作成、利用者と介護サービス事業者との連絡調整役です。
利用者が適切に介護保険サービスを利用できるようにサポートする非常に重要な役割を担っています。
しかし、それだけではないのが現状です。
現場のケアマネジャーや、SNSでのケアマネジャーの意見を見ると大変な現場が見えてきま。
『ケアマネジャーは何でも屋じゃない!』という悲痛な声が聞こえてきます。
施設ケアマネジャーの不満
施設ケアマネジャーの不満にはどんなものがあるでしょうか?
- 介護業務の兼任を求められる
- 業務量が膨大過ぎる
- 責任が重くプレッシャーに耐えられない
介護業務の兼任を求められる
ケアマネジャーの資格を取るためには医療・福祉・介護分野で5年以上の勤務経験が必要です。
多くのケアマネジャーは介護福祉士を5年経て資格を取得しています。
つまり介護のプロであり即戦力なのです。
現場の介護士はケアマネジャーの仕事内容を理解していないことが多く、本来の仕事ではない業務を頼まれるということが多々あります。
業務量が膨大過ぎる
ケアマネジャーの仕事量は多いです。
アセスメント・ケアプランの作成見直し・担当者会議・多職種連携調整・緊急時の対応そして法改正への対応など多種多様な業務をこなす必要があります。
更に、3年ごとにある介護保険法改正の度に資格更新研修、特定事業所加算取得のため事例検討会や研修会の義務などケアマネジャーは多忙です。
責任が重くプレッシャーに耐えられない
小規模な施設などではケアマネジャーが1人しかいないことも珍しくありません。
なかなか周りに相談することも難しく、重いプレッシャーに耐えられないということもあるようです。
居宅ケアマネジャーの不満
居宅ケアマネジャーの不満にはどんなものがあるでしょうか?
- 利用者、その家族との関係
- ケアマネジャーとしての業務範囲が明確でない
- 事務作業、訪問と多忙
利用者、その家族との関係
在宅で過ごす利用者やその家族にとって頼みの綱とも言えるケアマネジャー。
利用者の生活や状態をしっかりと把握し、ケアプランを作成しなければなりません。
程よい距離感で信頼のある人間関係を築けるのが理想ですが、ケアマネジャーの仕事への過度な期待や誤解から、その関係性に悩むケアマネジャーも多いです。
ケアマネジャーとしての業務範囲が明確でない
本来のケアマネジャーの仕事は、利用者に応じたケアプランの作成、介護サービス利用の際の連絡調整、利用者や家族の現状把握のため介護相談などです。
しかし、現実ケアマネジャーは業務範囲外の仕事に追われています。
- 病院の付き添い
- 日用品の買い物
- 近隣とのトラブル対応
- 救急車の同乗
- 認知症高齢者の捜索
上記は、ほんの一部です。
また、所属する事業所によっては夜間や休日に電話対応しなければならない事もあります。
介護相談という名のもと、何時間も電話対応せざる負えないという悩みもあるようです。
事務作業、訪問と多忙
介護業界全体にあてはまりますが、ケアマネジャーは常に人材不足です。
ケアマネジャーは不足しているのに利用者は増加する一方。
必然的に上限の利用者35人ケアマネジャー1人という構図が出来上がります。
それぞれの利用者に対し事務作業に月1回以上の訪問、そして本来であれば業務範囲外であるボランティア対応。
抱える仕事の多さに悩むケアマネジャーは多いです。
共通する悩み
ケアマネジャーの共通する悩みとして多く見られるもが
- 人間関係
- 給料が見合っていない
というものです。
多種多様の立場や環境の人と多く接するケアマネジャーと言う仕事は人間関係がとても重要になってきます。
介護サービス提供者と利用者の連絡調整役になるケアマネジャーは双方の板挟みになることも多いようです。
重要な仕事であるがゆえに人間関係がこじれると大変ですね。
そして給与面に関してですが、増え続ける業務に対し報酬が少ないという不満は後を絶ちません。
また、2019年10月に創設された特定処遇改善加算によって勤続10年になる介護福祉士の給与がケアマネジャーを上回る状況も出て来ました。
ケアマネジャーの状況や業務内容から考えると、早期の待遇改善が望まれます。
ケアマネジャーが何でも屋にならないためには?

ケアマネジャーは『何でも屋』になっている状況はどうすれば改善されるのでしょうか?
頼れるのはケアマネジャーだけという状況を作らない
現状は利用者のためという責任感のもと、業務範囲外の仕事も懸命に取り組むケアマネジャーが良いケアマネと言われがちです。
反対に「ケアマネジャーとしての仕事はここまでです」と線引きするケアマネジャーは冷たいとクレームの対象になります。
どちらが正解でどちらが不正解とは言えません。
独居の高齢者や遠方の家族の中にはケアマネジャーに依存してしまう例も少なくありませんし目の前に困っている人がいれば仕事だからと切り捨てられる人ばかりではありませんよね。
仕事の範囲外だと思っていてもケアマネジャーしか頼れないという、ケアマネジャーが動くしかない状況も現状では多々あります。
しかし、ケアマネジャーは利用者の家族ではありません。
自ら『何でも屋』になってしまうと利用者の自立支援の妨げになるだけでなく、他のケアマネジャーの首を絞めることにもなります。
善意であっても、業務を抱え込んで結局対応しきれずつぶれてしまっては全て無意味です。
業務の目的をしっかり把握し周りを頼りながら1人で抱え込まないということが大切です。
ケアマネジャーの仕事のやりがい

大変なケアマネジャーの仕事ですが、ケアマネジャー必要とされるは素晴らしい仕事です。
ケアマネジャーの仕事のやりがいとは何でしょうか?
介護サービス利用者の生活を守る
利用者の生活は、ケアマネジャーの作成したケアプランによって変わります。
利用者やその家族との信頼関係をもって適切な介護サービスに繋ぐことはケアマネジャーのとても重要な仕事です。
介護サービス利用者の自立した生活を守ること。
ケアマネジャーがいることで安心感をもってもらえること。
学んだ知識や築いてきた人脈から選択範囲が広がっていくこと。
ケアマネジャーは介護サービス利用者にとってとても大切な存在です。
責任感をもって、人と深く関わることの出来るやりがいのある仕事であることは間違いありません。
まとめ
この記事では、ケアマネジャーは何でも屋じゃないという不満の原因とケアマネジャーの仕事のやりがいについて調査してきました。
超高齢社会の現在、ケアマネジャーはますます必要とされる仕事です。
無理なくやりがいをもって働ける環境を業界全体で作っていきたいですね。