2023年8月21日、日本の製薬会社エーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンが開発した、アルツハイマーの新薬『レカネマブ』の国内での使用が厚労省の専門部会に了承されました。
保険適応なども検討されていて、正式に承認されれば年内の流通が可能になるそうです。
『レカネマブ』を使用出来る対象者はどんな人でしょうか?
効果や副作用も気になります。
薬の値段、高いのかも心配ですよね。
この記事では、アルツハイマー新薬『レカネマブ』は高いのか?対象者や効果・副作用まで調査していきます。
アルツハイマー新薬『レカネマブ』は高い?


新薬に希望は持てるけど値段が心配だよね?
保険適用はされるのかな?
アメリカでの販売価格は年間380万円(2万6500ドル)
『レカネマブ』はアメリカでは2023年の7月から治療薬として承認されています。
年間380万円がそのまま日本での値段になるとすると負担は大きすぎますよね。
保険適応の場合(日本)
- 3割負担:年間114万円
- 1割負担の場合:年間38万円
高額療養費制度があるため、保険適応になった場合は本人の負担は抑えられそうです。
しかし、その場合残りの費用は現役世代の保険料から補填されます。
高額な薬なだけに多用されると現役世代(若者)の保険料負担が増額されそうという不安の声も聞こえてきました。
『レカネマブ』の対象者は?



レカネマブは誰でも使用出来るの?
比較的症状の軽い人が対象(限られる)
認知症には段階があります。
- 軽度認知障害
- 軽度認知症
- 中度認知症
- 高度認知症
神経細胞は破壊されると元には戻りません。
そのため、進行してからではあまり効果が期待できないのです。
具体的には、軽度認知障害から軽度認知症までの方が対象となります。
そして、それに加え検査結果でアミロイドβが検出されている必要があります。
しかし、アルツハイマーの初期症状はとても気付き辛いこと、検査機関が少ないことが問題です。
『レカネマブ』を使用する条件であるアミロイドβを検査できる機関も全国に数十カ所と少ないので、実際に使用出来る人は現段階ではかなり限られるのでは?とみられています。
アルツハイマー病とは?
認知症の原因には大きく分けて4種類あります。
その認知症の原因の6割がアルツハイマー病だと言われています。
アルツハイマー病の原因は、脳の神経細胞の周りにアミロイドβというタンパク質が蓄積し、神経細胞が破壊され脳が委縮することで認知機能が低下する病気です。
アミロイドβとは
アルツハイマー病の原因となるタンパク質
粒から繊維状に変化し20年以上かけて脳に蓄積される
アルツハイマー新薬『レカネマブ』の効果・副作用





レカネマブは誰でも使用出来るの?
アルツハイマー病の進行を抑える効果が期待できる
新薬『レカネマブ』を使用することで、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβの変化を抑え込み、細胞の毒性を軽減することが期待できます。
神経細胞に入り込むアミロイドβを抑え込み増殖を抑えるだけでなく、脳内に溜まったアミロイドβを取り除くことも特徴的です。
これまで国内でアルツハイマー病に使用されていた薬は、症状緩和という効果でした。
新薬『レカネマブ』に期待できる効果は神経細胞の破壊を防ぎ進行を抑えるというものです。
エーザイによる軽度患者への臨床試験(約1800人対象)の結果によると、【投薬なし】に比べ症状悪化が27%抑制されたということです。
平均で3年進行のスピードを遅らせることが推測されています。
『レカネマブ』の副作用は?



レカネマブに副作用はあるの?
- 脳の部分的なむくみ
- 小さな出血
副作用が出る確率は12~13%と予測されています。
副作用が出るとすれば、薬を使い始めた最初の数カ月以内の発生確率が高いそうです。
『レカネマブ』の使用には、2ヶ月に1回のMRI検査が必要となります。
まとめ
この記事では、アルツハイマー新薬『レカネマブ』は高いのか?対象者や効果・副作用まで調査してきました。
どんな有効な薬にも副作用はあります。
値段や対象者など課題はありますが、認知症の6割をしめるアルツハイマー病の新薬『レカネマブ』に期待が高まりますね。
また、認知症は初期段階での受診がその後の生活に大きく関わります。
おかしいな?と感じた場合、家族が気付いた場合は早めの受診をおススメします。